庭や植木の手入れというと、「一度きれいに整えたら終わり」と思われがちです。ですが、実際にはそうではありません。
木は生き物であり、毎年成長し、枝葉を伸ばし続けます。その成長に合わせて「どのように育てていくのか」を考え、少しずつ形を整えていくのが本当の管理です。
今回ご紹介するのは、あるマンション敷地内で担当した剪定。
今年初めて手を入れた木で、まだ完成形には程遠い姿ですが、これから数年かけて「きれいな枝ぶり」に育てていきたいと思っています。
この記事では、
- 剪定前と剪定後の変化
- マンション管理ならではのポイント
- 剪定を通して感じた「未来を育てる」という視点
についてお伝えします。
剪定前の状態
マンションの敷地に立つ木は、これまで数年手を入れていなかった様子でした。
葉が密集し、枝が混み合って光も風も通らない状態。
一見すると「元気に育っている」と思うかもしれません。ですが、実際には枝葉が込みすぎることで以下の問題が出やすくなります。
- 木の内部に光が届かず、弱い枝が枯れる
- 風通しが悪くなり、害虫や病気のリスクが高まる
- 外から見た時に「重たい」「乱雑な印象」を与える

📸 ビフォー写真を見ると、その「窮屈さ」がよくわかります。
👉 「似たように葉が茂りやすいオリーブの剪定方法をまとめた記事はこちら」
剪定後の変化
今回の剪定では、まずは「光と風が通ること」を意識しました。
不要な枝を整理し、混み合いをほどくことで、木全体のバランスが見えてきます。
結果として…
- 風が通るようになり、木が軽やかに見える
- 葉に光が届くようになり、樹勢が整いやすくなる
- 木のシルエットがはっきりして、すっきりとした印象に

📸 アフター写真を見ると、同じ木でもずいぶん表情が変わったのがわかります。
マンション管理の剪定で大切なこと
庭木の剪定とマンション管理の剪定には、少し違う視点が必要です。
一度で完成を目指さない理由
庭木の剪定を依頼されると、多くの方は「すぐにきれいな形になる」と思われます。
ですが、実際には一度の剪定で完成させようとすると、以下のリスクが出てきます。
- 枝を切りすぎて木が弱ってしまう
- 自然な枝の流れを壊してしまう
- 翌年以降に不自然な樹形になりやすい
そのため、プロは「段階的に整えていく」ことを重視します。
今年は風通しと光を意識して整理、来年は残した枝を活かして形を作る…というように、数年かけて理想の姿へ近づけていきます。
剪定は“完成させる作業”ではなく、“未来を育てるための準備”。
この考え方こそが、マンション管理や庭木の維持で本当に大切な視点です。
2. 住民の安心感を優先する
マンション管理での剪定は、「見た目を整える」以上に 住民の安心感 を守ることが大切です。
木が茂りすぎると…
- 共用通路や駐車場が暗くなる
- 不審者の隠れ場所になりやすい
- 強風や台風のときに枝が折れて落下する危険
こうした状況は、住んでいる方々の不安につながります。
剪定によって木をすっきりさせることで、
🌱 通路やエントランスが明るくなる
🌱 見通しが良くなり、防犯性が高まる
🌱 枝が整理され、台風でも折れにくくなる
つまり、剪定は「景観を整える作業」であると同時に、安全と暮らしを守る仕事でもあるのです。
管理組合や住民の方から「明るくなったね」「風通しが良くなった」と声をいただくことも多く、そうした安心感こそが継続的な管理の価値だと感じます。
3. 将来の枝ぶりをデザインする
剪定の目的は、単に「切る」ことではなく「育てる」こと。
来年、再来年、その先の姿を思い描きながら枝を残していく必要があります。
これからの楽しみ
今回の剪定は、いわばスタートライン。
「きれいな枝の流れ」を作るには、これから数年かけて整えていく必要があります。
次の手入れでは、今年残した枝をどう活かすか、また新たにどこを整理するか…。
その積み重ねの中で、木がだんだんと美しい姿に育っていくのです。
これは庭木全般に言えることですが、「一度きれいにしたら終わり」ではなく、継続的に付き合っていくことが大事なんです。
独立前の今だからこそ
僕自身、まだ独立前の身です。
こうした現場一つひとつが経験の積み重ねであり、将来の自分の仕事に直結していきます。
「いま切ったこの枝が、数年後どう育っているのか」
「自分が独立したとき、この木とまた出会えるのか」
そんなことを考えながらハサミを入れるのは、正直わくわくする瞬間でもあります。
独立したら、もっと多くの現場で、もっと多くの木と向き合いたい。
だからこそ今は、日々の現場を「独立日記」のように残していこうと思っています。
まとめ
庭木の剪定は「今きれいにすること」だけが目的ではありません。
一度で完成を目指すのではなく、数年かけて枝の流れを育てていく。
そして、住む人が安心して暮らせるように安全性を高める。
👉 「独立に向けて準備を進める自分の想いは、こちらの記事にも書いています」
マンション管理の剪定は、見た目だけでなく「暮らしの景色」を整える大事な仕事です。
木も人も暮らしも、少しずつ育っていくからこそ、その過程に価値があるのだと思います。
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