はたらく日和

🪵【職人向け】独立=夢?今の現場で僕が磨いていること〜植木屋のリアル〜

こんにちは!植木屋の職人です。

この記事は──

“独立したい”と憧れながら  

「本当に今の技量でやっていける?」と悩んでいる  

20〜30代の職人仲間へ向けて書いています。

僕自身、就職してすぐ「独立ってカッコいい!」と思い込んでいました。でも経験を積むうちに気づいたんです。「独立前の今」こそ、本当に大切な“土台”なんやと。この記事では、僕が今の現場で意識している視点と、それが独立後にも活きる理由をリアルにお伝えします。  

「いつか独立したい」

僕がこの想いを持つようになったのは、就職してから間もない頃でした。

最初はただの“憧れ”だった気がします。

かっこいいし、自由そうだし、自分のペースでやってる感じがすごくいいなと。

「もっと自分の考えやスタイルで、お客さんに向き合いたい。」

「自分の考えに共感してくれる仲間を増やし、チームを作って目指す働き方を形にしたい。」そう思っていました。

でも、現場での経験を重ねるうちに、だんだんと気づいたことがあります。

独立って、カッコよさとか自由さだけでは続けていけない。

だからこそ、僕は今、あえて「今の現場」にこだわって仕事をしています。

夢ばかり見ていても、前には進めない。僕は今、「独立後」ではなく「独立前の今」をめちゃくちゃ大事にしています。

🌿経験は、時間ではなく“意識”で深くなる

僕は今、造園業の会社で働きながら、日々いろんな現場に出ています。

一見すると毎日同じような作業に見えるかもしれませんが、

同じ「剪定」でも、植木の種類や環境、お客さんの要望によってまったく違う対応が求められます。

この「違い」に気づく力を養うために、

毎日、“今日は何を学べるだろう?”って意識しながら現場に立つようにしています。

経験は、ただ時間を重ねたら身につくものじゃない

小さな気づきの積み重ねが、自分の糧になっていくんだと、最近つくづく思います。

たまに気が抜ける時もありますけど。(笑)

気を張り詰めすぎず、要はさせられている仕事から、したくてしている仕事になったら気持ちも体も楽ですよね。

憧れている人たちは、みんな肩肘張りすぎず、楽しそうにメリハリをつけているので、そんなとこも参考にできたらいいなと思っています。

今の現場は、全部“土台”になる

独立したら、何もかもが自己責任。

営業、見積り、段取り、現場の判断…全部、自分でやらなきゃいけない。

でもそれって、今いる会社の中でも、少しずつ経験できることだったりします。

たとえば、

• 現場での気づきや判断力を磨く

• お客さんとの会話の中でニーズを読み取る

• 先輩の動きを観察して、リーダーシップの型を学ぶ

• チームの空気をよくする振る舞いを意識する

これ全部、いずれ独立したときに必ず活きる“下地”です。

だからこそ僕は、今の現場を「ただの雇われ仕事」にしたくない。

学べること、感じられること、積み上げられることをちゃんと拾っておきたいんです。

🌱「任される」という責任の重み

数年働いた頃、ありがたいことに、少しずつ仕事を任されるようになってきました。

最初はちゃんと終われせれるかなとプレッシャーも大きかったけれど、

お客さんに「ありがとう、また来てね。」と言ってもらえたり、

先輩に「あそこの現場その人数で終わらせてきたん!」と認めてもらえたりすると、やっぱり嬉しい。

ただ、任されるっていうのは、それだけ責任が増えるということでもあります。

ミスをすれば信用を失う。向上心がなく、指示されたことだけやっときたいのならそれでもいいかもしれません。ただ、もっと前に進んでいきたいので、防げるミスは防ぐようにしています。

段取りが悪ければ、チーム全体の足を引っ張る。段取りが悪いとなんだか作業が進んでいない気持ちになり、なんだかチームの士気が下がっていくのを感じます。

でもその中で、少しずつ自分の「判断」が育っていくのを感じています。

常に挑戦する意識があるといいかもしれませんね。

✂️“気配り”が活きるのが、この仕事の面白さ

植木屋って、技術だけじゃダメなんですよね。

僕が大事にしていることは、気配りと思いやりです。

• お客さんの暮らしを考える

• 隣家への配慮を忘れない

• 雨が降った翌日の足元にも気を配る

そんな“小さな気配り”ができるかどうかで、

現場の空気も、仕事の仕上がりも、全然違ってきます。

僕はそういう「気配り」が評価される職人になりたいと思っています。

それってつまり、人のことを想像できる力ですから。

植木屋である前に、“人としてのあり方”が問われてる気がするんです。

ある営業マンの方に「営業マンは話すのが上手と思ってるやろ?」と

私は「そうじゃないんですか?それが得意やから仕事も上手くいってるんでしょ!」

と返しました。

そしたら答えはNOでした。

お客さんは話が上手い人から物を買ったり、契約してるんじゃないと。

その人を信頼して、任せたいから買ったり契約したりしてるんだと。

確かにと思いました。お客さんの立場になって考えるということが大切なのではないかと感じました。

→ぼくが現場で意識していることの、記事がありますのでこちらもどうぞ

🛠️独立は“目的”じゃなく、“手段”だと思ってる

「独立したい」って言うと、

「自由に働きたいんやろ?」とか「儲けたいんちゃうん?」って言われることがあります。

もちろん、自分の裁量で動けるのは魅力やし、

将来的にもっと収入を上げたいって気持ちももちろんあります。

でも、僕にとって独立は“目的”じゃなくて、“手段”です。

☘️僕が本当に目指しているのは…

• お客さんに寄り添った仕事がしたい

家族との時間をちゃんと大切にしたい

• 自然や庭と向き合える日々を暮らしの中に取り戻したい

そんな“生き方”を実現するために、僕には「独立」が必要なんです。

つまり、独立はゴールじゃなくて、“その道を選ぶための道具”なのです。

家族との時間を大切にしたいと思えたのは相方ができてからです。

昔は仕事が好きで、休みも関係なく仕事をしていました。

ただあることがきっかけで、今をもっと楽しんどくべきじゃないかと思うようになりました。いっぱいキャンプがしたいし、ハイキングもしたい。

なにより子供にしたいことをさせてあげたいの一心でがんばります!

まだ子供はいませんが。

🚪独立してもしんどい人もいる

実際に独立してる先輩方の中には、

ずっと忙しそうだったり、仕事に追われてしんどそうな人もいます。

自由を手に入れた分、全てが自分次第。

その大変さを見てるからこそ、僕は“独立さえすれば幸せ”だなんて、簡単には思えません。

📍だから今、地に足をつけて準備してる

焦って「とにかく独立!」じゃなくて、

どんな風に働いて、どんな暮らしをしたいのか?

そのビジョンをしっかり持った上で、僕は現場に立っています。

日和舎”という名前には、

「何かを始めるのにちょうどいい日」っていう意味を込めました。

僕にとって独立は、その「日」を迎えるための準備なんです。

いつかその日が来たときに、迷わず踏み出せるように、今をちゃんと耕しておきたいと思っています。

→日和舎に込めた思いを綴っています

🌞いまの現場も、僕の庭の一部

今の僕には、まだ“自分の庭”はありません。

でも、こうして日々向き合っている現場の一つ一つが、

いつか「日和舎」という庭をつくる土台になってくれるはずです。

だからこそ、今日も手を抜かず、気配りを忘れず、学びながら働いていきたいと思います。

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