はたらく日和

🧱はたらく日和|倒れる前に、止まれ。真夏のマンション現場で脱水しかけた植木屋の記録

「真夏の現場仕事、こんなもんやろ」と思ってるあなたへ。

どれだけ水を飲んでいても、どれだけ気をつけているつもりでも。

暑さは、ある日ふいにあなたの体を止めにくるかもしれません。

この記事では、真夏の植栽管理の現場で実際に“脱水症状しかけた”僕の実体験を元に、

なぜそうなったのか、何が足りなかったのか、そして今、何を伝えたいのかを正直に綴っています。

■現場で働く職人さん

■これから夏の外作業に入るリーダー職の方

■「熱中症対策はちゃんとしてるつもり」なあなた

そんな方にこそ読んでほしい、リアルな注意喚起の記録です。

「頑張る」のその前に、立ち止まる勇気を持ってほしい。

どうか、この記事が“倒れる前に気づくためのきっかけ”になりますように。

1. 山の中のマンションで、現場は始まった

7月某日。

その日は、山の中に建つあるマンションの植栽管理の仕事でした。

自然に囲まれていて空気はきれい。でもそのぶん、虫も多いし、日陰も少ない。

蜂はブンブン飛んでるし、暑さ以外にも気を張らないといけない要素が多い現場です。

作業時間は8時半からスタート。その日は16時に作業完了しました。

メンバーは、自分(現場リーダー)+後輩1人、応援の職人さん3人という5人編成。

「この現場は正念場になりそうやな…」

実は1週間ほど前から、そんな気配を感じていました。

毎年、管理している物件で毎年しんどい思いをするので、予想はできていました。

2. 暑さのプレッシャーは、現場前から始まっていた

このマンションは坂道を登った先にあって、

到着するだけでもちょっとした登山です。

しかも敷地が広く、作業エリアも何ヶ所にも分かれてる。

この段階で、どうやって進めていくか考えることが肝です。

元々考えていたプランをメンバーに伝えると、それでいこう!となり作業開始です。

予備日は設けていないので、作業が遅れると予定が狂うし、赤字にもなるしで大変なことになります。

  • 脚立に登っての剪定作業
  • 木に登っての剪定作業
  • 草引きと清掃
  • 切った枝の運搬

そんな作業を行ったり来たりしながら、ひたすらこなす一日。

この数日間の暑さもあって、体力はちょっとずつ削られていたのかもしれません。

「ちょっとしんどいな」と感じてはいたけど、自分がリーダーやし、頑張らなあかん。

そんな思いが先に立って、体調の不調を見て見ぬふりしてしまっていました。

3. 対策はしてた。「でも足りなかった」

もちろん、最低限の対策はしていました。

  • 帽子はちゃんとかぶってた
  • 水は4リットル持参
  • ポケットには塩分チャージ
  • 休憩も定期的に取るようにしていた

でも、空調服は着てなかった。

理由は「動きにくいから」やったけど、

今思えば、それすらも「暑さへの油断」やったのかもしれません。

▼「夏の庭しごとは、体力勝負じゃない。倒れる前にやっておきたい3つのこと」でも詳しく書いています。

真夏になる前にやっとこ!庭をきれいに保つ方法

4. フラッとした瞬間、「あ、これはアカンかも」と思った

その日は朝からじっとりとした空気で、現場に立っているだけで汗がにじむような暑さでした。

時折吹く風にすら、涼しさは感じません。

昼前あたりから、立ちくらみのような感覚が出てきて、

膝に手をつきたくなるような感覚になっていました。

それでも「水は飲んでるし、ちょっと疲れてるだけやろ」と流していました。

でも、脚立を降りてしゃがんだとき、視界が一瞬フワッと白くなって、

「これはちょっとまずいかもしれん」と、ようやく危険を意識しました。

ただ、そのときはもう「手遅れ寸前」やったんです。

5. 恥ずかしかった。「休んでてください」と言われたこと

14時30分頃その場でしゃがんでいると、近くにいた後輩が駆け寄ってきて、

「あと、掃除だけで終わるんでちょっと休んでてください」と声をかけてくれました。

それを聞いたとき、正直めちゃくちゃ恥ずかしかった。

「自分が引っ張らなあかんのに」

「後輩に気を遣わせてどうするねん」

「まだまだ動けるって思ってたのに」

いろんな思いが頭をよぎりました。

でも、そこですぐ気づいたんです。

“今の自分が現場に立ち続けるほうが、よっぽど迷惑になる”って。

頭では高校球児のままなんです

学生時代、野球を続けていたこともあり自信がありました。

しかし、それが裏目に出ていたかもしれません。あの頃と同じ体力なわけはなく、回復にも時間がかかるでしょう。

頭では、まだまだ動けると思ってしまいがちですね。

6. 倒れるより、休むほうが「責任感ある選択」

現場では「無理してでもやる姿勢」が、

美徳のように語られることがまだまだ多いです。

でも、それが事故やトラブルを招いたら、

それって本当に“かっこいい”働き方なんやろか?

現場リーダーである自分が体調を崩して倒れたら――

  • 作業が止まる
  • 残された人に負担がかかる
  • お客さんとの信頼も崩れる
  • 応援に来てくれてた人たちにも迷惑がかかる

自分が「頑張ってるつもり」でも、結果的には周りを危険にさらすだけ。

倒れるより、「休む勇気」こそ、現場を守る責任感やと思います。

7. 実感した、夏の現場で絶対に守るべき3つのこと

① 「疲れてるな」は見過ごさない

作業前から体に違和感があれば、絶対に軽視しない。

ちょっとしんどいな…は、もう赤信号。

特に連日現場が続いてるときは、判断が鈍ります。

② 水・塩・休憩は「前倒し」

喉が渇いてからじゃ遅い。

汗をかいてからじゃ遅い。

「やばい」と思った時点で、すでに一歩遅れてます。

時間を決めて、強制的に休むことが命を守ります。

③ 無理しない人こそ、かっこいい

ほんまに強い人は、限界の前に止まれる人です。

自分を過信せず、チームを信じて任せられる人が、リーダーにふさわしい。

これは今回、後輩に「休んでください」と言われて気づいた、大きな学びでした。

8. あの日の悔しさを、次に活かす

応援の職人さんたちも、後輩も、

誰ひとりとして嫌な顔せず、「大丈夫ですか?」と声をかけてくれました。

その優しさがありがたかったと同時に、

「次はもっと早く判断できる自分でいたい」と思いました。

リーダーである前に、一人の人間です。

自分の体を守らないと、仲間も守れない。

今回の体験は、自分への大きな戒めになりました。

9. 職人仲間へ|今すぐ「暑さ対策」と「判断のクセ」を見直そう

このブログを読んでくれている職人さん、

暑い現場に出てるあなたに、強く伝えたいことがあります。

  • 空調服を着る、帽子をかぶる
  • こまめな水分補給・塩分補給をする
  • 休むタイミングをあらかじめ決めておく
  • 誰かの「顔色」や「しんどそう」に気づける自分でいる
  • そして、自分の異変を見て見ぬふりしない

「頑張る」は素晴らしい。

でも、「無理する」とは違う。

今後もこの夏は、間違いなく猛暑が続きます。

今日元気でも、明日倒れるかもしれません。

「まだいける」じゃなくて、「今日はここまで」を選ぶこと。

それが、ほんまのプロやと僕は思います。

🔚まとめ|命を守る判断は、職人の仕事のうち

倒れる前に、止まる勇気を。

無理を誇る時代はもう終わりです。

チームで仕事をするからこそ、

自分の健康状態を冷静に見つめて、必要なら“下がる判断”を。

それは逃げることじゃなく、責任ある選択です。

だからどうか、今日も体に耳をすませて、

暑さと共に「自分自身」とも丁寧に向き合ってください。

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