チャドクガとは?正体と特徴を知ろう
チャドクガ(学名:Euproctis pseudoconspersa)は、ドクガ科に属するガの仲間です。庭木や茶畑に発生する害虫で、特に**ツバキ科の植物(ツバキ・サザンカ・チャなど)**を好みます。
幼虫(毛虫)は黄色〜橙色の体に黒い模様があり、体長は2cmほど。全身にびっしりと生えた毒針毛が最大の特徴で、人の肌に付着すると激しいかゆみや発疹を引き起こします。
成虫は白っぽい翅に黒い斑点を持つ小さなガで、夜に飛ぶ習性があります。一見無害そうに見えますが、成虫や卵、抜け殻にまで毒針毛が残っているため油断はできません。
🔎 豆知識
「チャドクガ」の名前は「チャの木(お茶)」に発生しやすいことに由来しています。茶畑の農家では昔から悩まされてきた存在で、発生すると茶葉の収穫にも影響が出る厄介な害虫です。
チャドクガの発生時期はいつ?庭木で増える季節と注意点
チャドクガは年に2回発生するのが特徴です。
- 第1世代:5月〜6月(春〜初夏)
- 第2世代:8月〜9月(夏〜秋)
特に梅雨前後とお盆明けは要注意。庭木の葉裏に集団で幼虫がつき、一気に増えてしまうことがあります。
発生しやすい庭木
- ツバキ
- サザンカ
- チャ(茶の木)
これらを庭に植えている場合は、春と秋に特に注意してください。
ある現場では、お客さんが「葉っぱに小さい点々があるけど大丈夫?」と相談してきたことがありました。よく見ると、それは卵からかえったばかりの幼虫の集団でした。このとき、「知らずに触っていたら大変なことになっていた」と背筋が冷えたのを覚えています。

被害の実例
春の5月頃と、夏の終わり8月頃。私は毎年、この時期になると「そろそろ出てくるな」と意識しながら仕事をしています。特に6月の梅雨前後は、雨で葉が柔らかくなり、チャドクガにとって最高の食事シーズン。実際、梅雨入り直前に伺った庭で、一晩のうちに葉の半分近くが食べられていたこともあります。
あるご家庭では、サザンカの生け垣にチャドクガが大量発生。気づかずに近くで洗濯物を干した結果、家族全員の腕に赤い発疹が出て皮膚科に駆け込むことになりました。
つまりチャドクガは、庭木の葉を食べるだけでなく、暮らしそのものに大きな被害を及ぼす害虫なのです。

チャドクガに刺されるとどうなる?症状と対処法
チャドクガの毒針毛は約0.1mmと極めて細かく、肉眼では見えません。それが肌に触れると以下のような症状が出ます。
主な症状
- 強烈なかゆみ
- 赤い発疹(ブツブツ)
- 腫れ・痛み
症状は数日〜数週間続くことがあり、人によっては夜眠れないほどのかゆみを伴います。

二次被害のリスク
- 洗濯物や布団に毛が付着し、室内に持ち込む
- 衣類を通して家族全員に症状が出る
- ペットの毛にも付着して拡散する
実体験
私自身もチャドクガにやられた経験があります。剪定作業を終えた翌日、首筋から肩にかけて赤い発疹が広がり、強烈なかゆみで夜眠れませんでした。襟元や袖口のわずかな隙間から風に乗った毒毛が入り込んでしまったのです。
お客さんの中には、庭木に触れていないのに症状が出た方もいました。原因は洗濯物。庭木のそばで干したシャツに毒毛が付着し、着用した瞬間に肌が反応したのです。これを機に、「発生期には庭先に洗濯物を干さないようにしましょう」と強くお伝えするようになりました。
⚠️ 経験上、かゆみは数日でおさまることもありますが、長いと2週間以上続きます。皮膚科では抗ヒスタミン薬やステロイド軟膏を処方されることが多く、早めの受診が安心です。
チャドクガの駆除方法|安全に毛虫を退治する手順
チャドクガを駆除するには、安全対策を徹底することが何より大切です。
駆除前の防護
- 厚手のゴム手袋
- 長袖・長ズボン
- 使い捨ての不織布つなぎ
- ゴーグル・マスク
作業後はすぐに入浴して全身を洗い流し、着ていた服は他の洗濯物と分けて洗いましょう。
*僕は毛がついた服は捨てるようにしています。お客様にもそのように伝えるようにしています。
幼虫の処理方法
- 葉ごと枝を切り取り、ビニール袋に密閉
- 袋を強く振らず、静かに封を閉じて処分
市販薬剤を使った駆除
園芸用殺虫剤を使うのも効果的です。
- ベニカXファインスプレー(住友化学園芸):即効性があり初心者向け
- スミチオン乳剤(住友化学園芸):広範囲に使用可能な定番薬剤
- トレボン乳剤:自分も愛用しています
🌬 散布は必ず風の弱い朝や夕方に行い、散布後は子どもやペットを近づけないよう注意してください。
自分で駆除できない場合は業者依頼を検討
- 高木や大規模な発生
- 小さなお子さんや高齢者がいる家庭
- 自分で作業するのが不安な場合
➡️ 植木屋や害虫駆除業者なら、プロ用の薬剤や高所作業車を使い、安全かつ効率的に処理できます。
チャドクガを予防する方法|卵の除去と日常の庭木管理
駆除と同じくらい大切なのが予防です。
卵の除去
冬の枝先に産み付けられた卵塊は、茶色の小さな塊状で樹皮に貼り付いて見えます。
- 剪定時に見つけたら、枝ごと切り落として処分。
- 冬のうちに除去すると、春の発生を大幅に減らせます。
発生しやすい木の管理
ツバキ・サザンカ・チャを植えている場合は、定期的な点検が必須です。葉裏をよく観察する習慣をつけましょう。
暮らしの工夫で予防
- 発生時期は庭木のそばに洗濯物を干さない
- 庭木を密集させすぎない
- 剪定で風通しを良くする
庭木の環境を整えることは、害虫予防にも直結します。
チャドクガ対策まとめ|庭と暮らしを守るためにできること
- 発生時期は5〜6月・8〜9月
- 毒毛は触れなくても症状を起こす
- 駆除は必ず防護を徹底
- 市販薬剤や業者依頼も活用
- 卵を冬に取り除き、発生を未然に防ぐ
チャドクガは小さな毛虫でも、庭と暮らしに大きな影響を与える害虫です。
庭を整えることは、家族の暮らしの安全を整えることにもつながります。
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「庭をきれいにしたいけど、チャドクガが心配…」という方も、まずはお気軽にご相談ください。