🔰はじめての夏現場、命にかかわる暑さだった。
「空調服、着てますか?」
これは、命を守るための質問です。
毎年夏になると、全国で熱中症で倒れる職人が後を絶ちません。
特に経験の浅い新人ほど、“危険をうまく伝えられない”まま我慢してしまう。
現場で何が一番大切か――
それは「作業」よりも「安全」。
そして、それを守るのが、現場を引っ張るリーダーの役目です。
以前、僕自身も脱水しかけた経験があります。
帽子はかぶってたけど、空調服を「今日はいいか」と油断して…。
そのときの実体験は、こちらの記事でくわしく書いています👇
👉 🧑🔧はたらく日和|倒れる前に、止まれ。真夏の植木屋が学んだこと
あの体験を経て、僕の中で「リーダーの役割」が180度変わりました。
今回はその気づきから、
新人を守るために現場リーダーができる5つの習慣をまとめています。
はじめに 〜35℃の現場で思ったこと〜

夏の現場って、やっぱり命がけやと思うんです。
空調服がなかったあの日。僕はほんまに、倒れる寸前までいきました。
その日も朝から暑くて、気温はすでに30℃超え。
現場は山の中にあるマンションで、風も通らん。応援3人、後輩1人、そして僕。
作業は8時半からやけど、すでに汗が止まらんかった。
「あれ、なんかフラつくな」
「ちょっと頭痛いかも…」
正直、そんな兆候はいつもより早かった。
帽子はかぶってたけど、空調服は着てなかった。
「まぁ今日は大丈夫やろ」って思ってしまった自分がいた。
あの体験を通して思ったのは、
リーダーである自分が倒れたら終わりやなってこと。
そして、新人や応援の人の命を預かってるって、ほんまに重たいなってこと。
それ以来、僕の中で「夏の現場に向き合う意識」がガラッと変わった。
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リーダーとして「守る立場」に気づいた日
自分が若手の頃は、「自分の体調は自分で管理するもんやろ」って思ってた。
でも、今になってわかる。現場って、一人ひとりの“自己責任”で成り立ってへんねんな。
後輩が調子悪そうにしてても、「言い出しにくい空気」をつくってしまったら、倒れるまで我慢してしまうこともある。
そんなの、絶対にあかん。
僕らは木を守る仕事をしてるけど、
それよりもまず、“人を守る”ことが先やと思う。
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新人を守るために意識している5つのこと
では実際に、僕が現場で意識してることを5つ紹介します。
どれも小さいことやけど、命にかかわるくらい大事なことやと思ってます。
新人の剪定やお庭の悩みって、現場経験者じゃないとわからないことも多いですよね。
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① 声をかけるタイミングは“少し早めに”
後輩が暑さでバテてきてるなって思ったとき、
「もうちょっと頑張れるやろ」と思う自分も正直いる。
でも、その「もうちょっと」が危ない。
だから僕は、体調不良を“予感”したら声をかけるようにしてます。
「大丈夫か?」じゃなくて、
「ちょっと休憩しようか」「水飲んどきや」って、自然な形で。
声かけのタイミングを早めること。
それはリーダーの“アンテナ”の精度を上げることでもある。
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② 水分補給は“自分が先に見せる”

新人ってね、リーダーがやってないと遠慮してやらんもんなんです。
特に、真面目な子ほど。
だから僕は、「水飲むぞ!」って自分から先に動くようにしてます。
ちょっと声を張って、「よっしゃ!いったん水分タイム!」って。
大げさくらいでちょうどいい。
それが「今は飲んでもいい時間なんや」って伝えるサインになるから。
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③ 服装・装備は「ちゃんと見て、伝える」
これ、けっこう盲点なんやけど…
新人って“服装の暑さ対策”が甘かったりする。
帽子を忘れてたり、タオルを首に巻いてなかったり、
最悪の場合、長袖着てないときもある。
僕は朝の時点で「ちゃんと見てあげる」ようにしてます。
でも注意は、やさしく、伝わるように。
「今日は帽子ないとヤバいで!」って、
ちょっと笑い混じりに、でもちゃんと真剣に。
怒るんじゃなく、伝える。
それがリーダーの伝え方やと思ってます。

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④ 怒らない。焦らせない。
これが一番むずかしい。
でも、夏場ほど意識してること。
焦らせる=ミスを生む。ミス=怪我・事故につながる。
僕自身も、暑いとイライラしがちやけど、
そこをグッとこらえるようにしてます。
「ゆっくりでいいよ」って言うだけで、現場の空気って変わる。
無理やりペースをあげさせるより、命を守るほうが大事やもん。
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⑤ 「帰ったあとも大事」にする
現場終わったあとのLINE。
「今日は暑かったけど、ありがとうな!」って一言送る。
それだけで、新人の安心感ってぜんぜん違うと思う。
それから、「シャワー浴びて、水分しっかり摂ってな!」って。
“帰ってからのケア”まで伝えるのが、リーダーの仕事やと思ってます。
正直、そこまでやる必要あるん?って思われるかもしれん。
でも、「この人は自分の体のことまで気にかけてくれる」って思ってもらえると、信頼が積み上がる。
また、現場が終わってから家に帰ったあと。
汗をかいたままの服、日焼けでヒリつく肌、庭の草も気になってるけど体が動かへん…。
そんな日々の中で、僕自身が気づいたのは、
“家の庭”も、僕たち職人が癒される場所になりうるってことでした。
汗だくで帰ってきた玄関の横に、少し手入れされた緑があるだけで、心がふっとゆるむんです。
↑これはそんな思いから書いた記事です。
現場でがんばる自分と、家に帰ってホッとする自分。
どっちも大切にしていきたいですね。
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“誰かの命を守る仕事”が、もう始まっていた
僕は植木屋やけど、
それ以上に、“人を見てる人間”でありたいと思ってます。
現場では、木も人も、どっちも「倒れさせない」ことが大事。
リーダーって、強く見られがちやけど、
本当は「やさしさの覚悟」が問われる立場やと思うんです。
誰よりも早く変化に気づいて、誰よりも先に声をかける。
それができる人が、ほんまの現場の“親方”やと思います。
そして、そんな毎日の中で――
僕がどんな1日を過ごしているのか?
気になってくれた方には、こちらの記事も読んでもらえたらうれしいです。
🧤 [密着]植木屋の1日ってどんな感じ?リアルな流れを全部見せます
現場で感じたこと、後輩とのやりとり、夏の暑さの中で何を考えているか――
そんな僕の「日和舎としての働き方」を、まるっと覗いてみてください🌿
そして僕は今、リーダーとして“守ること”を学びながら、
この現場でしか磨けない何かを大切にしています。
↑この記事では、“独立”や“夢”について、正直な気持ちを書いてます。
現場に立ちながら未来を見つめる職人の気持ち、ぜひのぞいてみてください。
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おわりに 〜僕らが明日も無事でいられるように〜
夏の現場は、ただ作業するだけじゃない。
暑さと闘いながら、仲間の体調を見守り、後輩の不安に気づき、全員が無事に帰れるように気を張り続ける。
それってほんまに、“命を預かる仕事”やと思うんです。
リーダーは偉いからじゃなくて、「気づけるから」任される。
そしてその“気づき”は、日々の暮らしの中でも活きてくる。
誰かの命を守ることも、
家族の安心を守ることも、
小さな庭を守ることも、
全部、同じ線でつながってる気がしています。
これからも、そんな“日和”な気づきや想いを、ここで綴っていけたらと思っています。
そんな日々のリアルや、植木屋の暮らしのヒントは、Instagramでも発信してます。
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あなたの明日が、今日より少し、優しくなりますように。