【写真で解説】1本の木を剪定する流れ|プロが現場で守る“失敗しない順番”と判断のコツ
「どこから切ればいい?」が一番むずかしい。だから順番が命です
剪定で一番難しいのは、技術よりも――
👉 **最初の一刀(どこから触るか)**です。
- 邪魔な枝から切りたくなる
- 低いところだけ整えたくなる
- とりあえず短くしたくなる
でもこの“勢い”で入ると、形が崩れます。
そして形が崩れると、リカバリーに年単位の時間がかかります。
(※崩れたときの戻し方は
「剪定で形が崩れたときのリカバリー方法」も参考にしてください)
この記事では、1本の木を剪定するときの基本の流れを、写真前提で解説します。
さらに、日和舎として現場でずっと守っている「判断のコツ」も入れます。
この記事で分かること(読者の悩みを全部回収)
- どの順番で見て、どの順番で切るか
- どこを切ると形が崩れるか
- 剪定量の目安と、やってはいけない切り方
- 初心者がやりがちなミスを避ける方法
- 自分でやっていい範囲/プロ案件の境界線
まず準備:道具と安全(ここを飛ばすと事故る)
剪定は「作業」じゃなくて「現場」です。
安全が崩れると、庭どころじゃありません。
- 剪定鋏
- ノコギリ
- 脚立(安定した場所+開き止めチェーン+天板NG)
- てみ/ふご、さらえ、ゴミ袋
道具については
「剪定の道具、何が必要?」の記事で整理しています。
安全については
「剪定作業の安全対策(脚立・高所・感電・切創)」も必読です。
(高所や電線が絡む剪定は、迷わずプロ案件)
全体の流れ(写真で見せるとこうなる)
- 切らずに全体を見る(設計)
- 枯れ枝・折れ枝・危険枝を取る(整理)
- 内向き枝・交差枝・混み合いを間引く(骨格)
- 高さ・幅を“少しだけ”整える(調整)
- 離れて見て、やめる(仕上げ)
- 掃除して完成(完成度が上がる)
この順番を守れば、失敗率は激減します。
STEP1:まずは“切らずに見る”(ここがプロと初心者の差)
📷(写真①:剪定前の全体写真/正面)
📷(写真②:少し離れた位置からの全体写真)
最初にやるのは剪定じゃないです。
観察です。
見るポイント(3つだけ)
- 木の重心はどこか(右に寄ってない?上に偏ってない?)
- 光が入っているか(内側が真っ暗になってない?)
- どこを主役にするか(残すラインを決める)
ここで“現場のコツ”を1つ。
👉 「枝を切る前に、残す形を指でなぞる」
やってみてください。
これだけで闇雲に切らなくなります。
STEP2:迷わず切っていいのは「枯れ枝・折れ枝・危険枝」
📷(写真③:枯れ枝/折れ枝のアップ)
📷(写真④:除去後の写真)
最初に切るのは「迷いがない枝」。
- 枯れ枝
- 折れ枝
- 病気っぽい枝
- 人に当たる危険枝(目線・通路)
ここを先に取ると、頭が整理されます。
初心者の方ほど、いきなり形に入りがちですが、逆です。
STEP3:形が整う本番は「短くする」じゃなく「間引き」
📷(写真⑤:交差枝・内向き枝の例)
📷(写真⑥:間引き前→後の比較)
ここが“日和舎の剪定”の核です。
剪定で自然に見える木は、
だいたいここで決まります。
間引く対象(優先順)
- 内向き枝(木の内側に向かう)
- 交差枝(擦れて傷になる)
- 平行枝(同じ方向に重なって混む)
- 込みすぎてる小枝(風が抜けない原因)
ポイントはこれ。
👉 短く切って揃えない。根元から抜く。
揃える剪定は一瞬きれいに見えるけど、
翌年「枝先だけ増えて硬い木」になりやすい。
(※典型例は「やってはいけないNG剪定」で解説しています)
STEP4:高さ・幅は最後に。しかも“一気にやらない”
📷(写真⑦:高さ調整の前)
📷(写真⑧:調整後)
初心者が一番やりがちなのが、ここでいきなり
- 高さを落とす
- 幅を詰める
をやること。
でも、順番は逆。
👉 間引いてから、必要な分だけ整える
これが基本です。
剪定量の目安
目安としては、
👉 全体の2〜3割以内
(樹種や状態で変わるので「切りすぎ防止|剪定量の基準」も参照)
「今日は整える日」
「来年は微調整の日」
みたいに、年単位で作るほうが結果的に安く、きれいに保てます。
STEP5:最後は“離れて見る”→「やめる」が正解
📷(写真⑨:剪定後、少し離れた全体)
仕上げで一番大事なのはこれ。
👉 もう一回、離れて見る。
見るポイントは3つ。
- 不自然にスカスカじゃないか
- 重心がどちらかに寄ってないか
- 庭全体の雰囲気が壊れてないか
そして最後に、プロが必ずやること。
👉 「もう切らない」判断をする。
ここで“あと少し”をやると、崩れます。
剪定は「やめ時」が一番難しいです。
STEP6:掃除で完成度が決まる(地味だけど一番差が出る)
📷(写真⑩:掃除前)
📷(写真⑪:掃除後)
剪定後の印象は、掃除で決まります。
- さらえで葉を集める
- てみ/ふごで運ぶ
- ゴミ袋でまとめる
ここまでやって初めて「剪定した庭」になります。
日和舎の経験談:現場で一番多い失敗は「枝を見る前に、手が動く」
これ、何度も見てきました。
「邪魔な枝を切る」
「とりあえず短くする」
この入り方をすると、ほぼ確実に
- 枝先だけ増える
- 内側が空洞になる
- 数年後に入れ替え剪定ができない
状態になります。
逆に、うまくいく人は共通しています。
👉 最初の5分、切らずに見ている
👉 短くする前に、間引いている
この差です。
よくある質問(Q&A)
Q1. どの枝から切ればいいか分かりません
最初は「枯れ枝・折れ枝・危険枝」だけでOK。
次に「内向き枝・交差枝」を間引くと形が整います。
Q2. どれくらい切っていいですか?
目安は全体の2〜3割以内。
切りすぎ防止の基準は「剪定量の基準」記事も参考にしてください。
Q3. ぶつ切りしてしまいました。もう終わりですか?
終わりではありません。
ただし“直そうとしてさらに切る”のが一番危険。
「リカバリー記事」を見ながら、年単位で戻すのが安全です。
Q4. 高いところだけ残ってしまいます
それは自然な限界です。
「届かない=プロ案件」の合図。
事故のリスクが上がるので無理をしないでください。
Q5. 自分でやっていい範囲は?
鋏とノコギリで無理なく届く範囲まで。
怖い高さ・電線が近い・電動工具を使いたくなったら、相談が安全です。
関連記事(この1本で理解が深まる)
- 剪定の道具、何が必要?
- 剪定作業の安全対策(脚立・高所・感電・切創)
- 切りすぎ防止|剪定量の基準
- やってはいけないNG剪定(強剪定・丸坊主)
- 剪定で形が崩れたときのリカバリー方法
- 自分でやっていい範囲/プロ案件の境界線
まとめ|剪定は「順番」と「やめ時」で決まる
1本の木でも、流れは同じです。
- 観察
- 整理
- 間引き
- 調整
- 再確認
- 掃除
この順番を守れば、失敗は激減します。
剪定は、急がなくていい。
庭は、数年単位で育ちます。
日和舎からのお知らせ
大阪府全域で剪定・庭木管理のご相談を受けています。
- 写真を見て「どこを切るべきか」相談したい
- 強剪定にしたくない
- 自然な庭を数年かけて作りたい
Instagramでは剪定前後の写真や考え方を発信しています。
日和舎、今日もいい日。
