庭しごと帖

雨に映える植物10選|プロが選ぶ和モダンに似合う庭木と下草たち

雨が降ると、どこか気分が沈みがち…。

でも、ふと庭を見てみると、雨に濡れた植物たちが、いつもより美しく見えたことはありませんか?

葉っぱにきらめく水滴、しっとり色づく花々、静けさの中に広がるみずみずしさ——

そんな「雨の日ならでは」の風景を楽しませてくれる植物たちがいます。

私がよく思い出すのは祖母の家に植えていた、ツワブキとベニシダの組みあわせです。なんとも言えない山にいるような気分にさせてくれる光景でした。

今回は、植木屋である僕が選んだ「雨の日がとっても似合う植物たち10選」をご紹介します。

おしゃれな和モダンな雰囲気を目指すなら取り入れると良いと思います。

和風の庭づくりにもぴったりなものばかりなので、梅雨やしっとりした季節がもっと好きになるかもしれませんよ。

🌿 雨の日が似合う植物たち【10選】

1. アジサイ(紫陽花)

  • まさに“雨の主役”。花に雨粒がつくと宝石みたい。
  • 土のpHで色が変わるのも魅力。
  • 梅雨の風物詩としては最強!

言わずと知れたアジサイです。アジサイの中でもいろんな種類はありますが、中でもガクアジサイ、カシワバアジサイ、テマリテマリという品種もありますね!

2. ヤブコウジ(藪柑子)

  • 和風庭園によく使われる低木。
  • 葉に雨粒がのるとツヤツヤ。
  • 赤い実もかわいくて、しっとり系の雰囲気にぴったり。

小さいかわいい植物ですが、お庭の中ではメイン級の存在感を出してくれます。足下を見せたいならばヤブコウジはおすすめです!

3. ギボウシ(ホスタ)

  • 葉っぱが大きくて雨音がポタポタ心地よい。
  • 半日陰でも育つから、梅雨でも元気!
  • 白や紫の花が咲くと、雨の中で映える。

花は天ぷらや、酢の物にして食べることもできる万能タイプ!

ただし新芽はバイケイソウという有毒植物に似ているため注意が必要です。

4. 苔(コケ)

  • 雨が降ってこそ輝く存在。
  • 日本庭園との相性もバツグン。
  • 雨の日は鮮やかに発色して“緑のじゅうたん”になるよ。

多くの庭園にも使われている苔。世界には約2万種、日本には約2000種あると言われています。

最近では、苔玉や、苔テラリウムとして売られていたりして、観賞用の形も様々なものがあります。

5. ナンテン(南天)

  • 雨で葉が濡れると、光沢感がぐっとアップ。
  • 赤い実が雨に濡れてる姿は風情ありすぎ。
  • 「難を転じて福をなす」縁起物としても人気。

厄災を除き、縁起の良い植物とされています。鬼門除けとしてヒイラギと合わせて庭に植えられている事が多い植物です。

6. シダ類(トクサ・ゼンマイなど)

  • 湿った場所が好きで、雨との相性◎。
  • シンプルなのに存在感あるフォルム。
  • 森の中っぽい雰囲気が庭でも演出できる。

上記で伝えたシダ類です。非常に湿った環境が好きで山の中によく自生しています。ハイキングにでかけると持って帰りたいなーて思うほど、立派なシダたちが暮らしています。

7. ツワブキ

  • 雨で濡れた葉がぴかぴか光る!
  • 晩秋に咲く黄色い花が雨空にもパッと映える。
  • 和風モダンな庭にも合うよ。

私のなんとなくのイメージで葉っぱの上に、カエルがひょっこり乗っていそうな雰囲気です。

10月ごろに黄色いかわいい花が咲きます。かわいい雰囲気なのでお庭におすすめです。

8. シュウメイギク(秋明菊)

  • 秋に咲く花だけど、雨に濡れてもうっとりする可憐さ。
  • やさしいピンクや白が雨の日に優しく溶け込む。

菊という字が入っていますが、キク科ではなくキンポウケ科の植物です。

9. ハナショウブ(花菖蒲)

  • 梅雨時期に咲いて、雨×和花の極み。
  • 池や湿地に植えると雰囲気が最高に。
  • 着物の柄にもなるくらい日本人好み。

切り花としても使う事ができる観賞用にはバッチリです。紫色の綺麗な花が咲くのでアクセントにいいでしょう!

10. ドクダミ

  • 雨に濡れた白い花が清楚で美しい。
  • 独特の匂いはあるけど、昔から薬草としても重宝されてる。
  • 雨の日に咲くとちょっと神秘的な雰囲気。

あまり知られていないのが、実はドクダミは白い花が咲きます。雑草扱いを受けることが多いドクダミですが、雑草は上手く付き合っていくとかわいいものです。

雑草との付き合い方の記事はこちら

雨の日の植物たちが教えてくれること

雨に濡れた植物たちを眺めていると、ただの「しずく」や「濡れた葉」以上のものが見えてくることがあります。

たとえば、

晴れた日には見過ごしてしまうような、苔の繊細な緑。

いつもより深く輝く葉のツヤや、静かに佇む花の気高さ。

今年は雨で頭の方が重たくなってきたから少し捌いておこうか!など気付けますね。

どしっと構えた力強さは男性としてのかっこよさを表しているかのようですね。

雨の音に耳を傾けながら、庭を歩いてみると、

植物たちが「今日は、ちょうどよくしっとりしてるから見ていって」と言っているような気がしてくるんです。

柔軟な発想、アイデアは意外とこういう日に浮かんでくるものじゃ無いでしょうか。

雨の日にこそ感じられる、庭しごとの贅沢

庭に出られなくても、窓辺からぼんやり眺めるだけでもいい。

お気に入りのマグカップを片手に、しっとりとした雨の景色と植物の表情に目を向けるだけで、なんだか心がふっと落ち着きます。

「庭って、こんなに表情が変わるんだなぁ」って気づける時間。

こんなに「ここの枝こんなに伸びてたんだ!」ちょっと虫が沸いても嫌だから切っておこうかな!とか気付けるかも知れませんね。

梅雨時期の剪定方法についての記事はこちら

それって、なかなか贅沢なことかもしれません。

雨の日が嫌なのはわかります。でも、ネガティブな事を言っていても良い方向には向かいません!どうせ雨なら雨の楽しみ方を編み出していきませんか。

その点、子供たちを見ていると、雨を楽しんでいるように見えます。水たまりで遊んだり、傘をさすことを楽しみにしている純粋さを見ていると、こういう気持ちを忘れてはいけないんだ。と再認識させてくれます。

まとめ|“雨が似合う庭”で、もっと暮らしが豊かになる

晴れの日も、雨の日も、植物たちはちゃんとそこにいて、私たちに何かを伝えてくれています。

日和舎では、「暮らしに寄り添う庭しごと」を大切に、雨の日の美しさや、剪定のタイミングまで一緒に考えていきます。

梅雨をもっと楽しみたい方は、ぜひ剪定の見直しも検討してみてください。

→剪定の相談は『ココナラ』からも受付中!

植物の魅力がふと心に届くような、そんな日常をこれからも🌿

しっとり濡れた葉や、静かに揺れる花、苔のじゅうたんの緑……

そんな景色がふと目に入った時、「今日は雨でよかったな」と思えるかもしれません。

日々の暮らしの中に、ちょっとした“しっとりの贅沢”を。

雨の日こそ、植物の美しさに気づけるチャンスです。

ぜひ、あなたの庭にも「雨が似合う植物」を迎えてみてくださいね。

もし「雨に似合う植物ってなんだろう?」「他の人はどうしてるんだろう?」なんて思ったら、ぜひ日和舎(ひよりや)のInstagramものぞいてみてください🌿

実際に植物と暮らす日々や、自然に寄り添うアイデアを、写真とことばでゆるやかに発信しています。

📷 ▶ Instagramをご覧ください。

植物との暮らしが、あなただけの「心地よい場所」になりますように。