【植木屋が教える夏前の庭しごと】
庭仕事が好きなあなたへ。
夏に向けて、庭の草取りや剪定、水やりの準備をしておくと、後がグッと楽になりますよ。
植木屋としての経験を踏まえて、特におすすめの5つの庭しごとポイントを紹介します!
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はじめに|“暑くなる前に、ちょっとだけ”庭と向き合ってみませんか?
夏が近づいてくると、庭が少しずつ賑やかになってきます。
新しい葉が出て、草もグングン育って、つる植物は空に向かって伸びていく。
でも同時に、「暑くて庭に出るのがつらい」「草が伸びすぎて手に負えない」
…そんな声を毎年たくさん聞きます。
植木屋として現場に立っていても、
「もっと早めに手を打っていれば、こんなに大変にならなかったのに…」と感じることがよくあるんです。
庭って、ほんの少しだけ先回りしておくことで、
夏のしんどさがグッと軽くなるんですよね。
庭の広さに関係なく、ちょっとした鉢植えやベランダグリーンにも応用できる内容ばかりなので、
ぜひ気軽な気持ちで読んでもらえたらうれしいです。
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① 草取りは“今”が勝負。梅雨明け前に一気にラクする!
土が柔らかい「朝」がチャンス!

草取りは「早くやらないとヤバい」と思いながら、
ついつい後回しにしてしまう作業No.1かもしれません。
でも実は、この梅雨前〜梅雨の合間が、草取りには一番のタイミング。
というのも、草は梅雨の湿気と気温で、爆発的に成長します。
しかも、根っこがまだそれほど張っていないから、今なら抜きやすいんです。
特におすすめは、朝の水やりついでの草取り。
土が湿っていると根ごとスルッと抜けやすく、
少しだけのつもりが「気づいたら10分も集中してた」なんてことも。
短時間で済むから、毎朝のルーティンにも組み込みやすいですよ。
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防草シートやマルチングで「もう生えにくくする」
草を抜いたあと、そのままにしておくと、数日後にはまたチラホラと出てきます。
これを繰り返すのは、正直しんどい…。
そこで、ぼくが現場でもよく提案しているのが、
- 防草シートの設置(+砂利やウッドチップの上に敷く)
- バークチップや腐葉土などのマルチング材を敷く
- あえて落ち葉を綺麗に取らないでマルチングがわりにする。
防草シートはホームセンターでも手軽に手に入るし、
DIYでも十分設置できます。
見た目もナチュラルにしたい方は、バークチップ(木の皮を砕いたもの)がおすすめ。

草が生えにくくなるだけじゃなく、土の乾燥防止や見た目のやさしさもプラスされます。
要は土に日光が届かなければ草は生えにくくなります。
山に行って高い木がいっぱいあるところで草が生えていないのは、そういった理屈です。
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② 剪定は“軽く整える”くらいがちょうどいい
強剪定はNG。でも何もしないのももったいない。
「剪定=思いきって切るもの」と思っている方、多いかもしれません。
でも夏前の剪定は、“がっつり”ではなく、“ちょっと整える”くらいがベストです。
なぜなら、夏は植物にとってもストレスが大きい時期。
葉を大量に落としたり、太い枝を切ったりすると、ダメージを受けて回復が追いつかないことも。
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枝を“1〜2本間引くだけ”で空気が変わる
ぼくがよくやるのは、
- 内側で絡んでいる枝を数本抜く
- 下のほうの小枝を整理する
- 徒長(ひょろっと伸びすぎた枝)を抜く
- 古葉をむしる
これだけでも、風通しと日当たりがぐんとよくなる。
見た目もスッキリして、庭全体の雰囲気が整うんです。
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剪定で“気持ちも整う”
不思議なことに、剪定って人の気持ちともリンクしてると思うんです。
なんとなく庭がモサモサしてくると、
「ああ、なんか気持ちもごちゃごちゃするなあ」って感じたことありませんか?
家の中でも散らかってると、なんかスッキリしないなーなんてことあると思います。
そんな時、うちはちょこっと掃除を取り組んでいます!
剪定して光が入ると、「あ、ちょっと気持ちよくなったかも」と自分の気持ちも軽くなる。
これは、ぼく自身が毎日の現場で実感してることです。
→人とのつながりを意識した剪定について詳しく書いてます。こちらからどうぞ
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③ 支柱・誘引は“育つ前に整える”のが基本
つる植物・夏野菜・背の高い草花には支えが必要

夏になるとグングン伸びていく植物たち。
特に注意したいのが
- トマトやキュウリなどの夏野菜
- クレマチス、モッコウバラ、朝顔などのつる植物
- ダリアやルドベキアなどの草丈の高い花
これらは、成長に合わせて支柱や誘引の準備をしておくことが不可欠。
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崩れてからじゃ遅い!“先回り”が一番ラク
「大きくなってきたら支柱しよう」と思っていると、
気づいたときには枝が折れていたり、ツルが絡まりすぎてどうにもできなくなってたり…。
そうなる前に、
- 支柱を立てる
- 麻ひもやシュロ縄などで“ふんわり”誘引する
これをセットでやっておくと、植物たちがまっすぐ気持ちよく育ちます。
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④ 水やりは「量よりタイミング」が命
水やりは“朝イチ”が最強

夏場は気温が高く、植物もどんどん水を吸います。
でも、水やりはタイミングを間違えると逆効果。
基本は、朝の7〜9時までにたっぷりと。
土壌の排水がしっかりしていると、水のやりすぎってことはたいがいはありません。
真夏の真昼間に水をやると、土の中でお湯になってしまい、根にダメージを与えてしまいます。
夕方や夜にやると、夜間の湿気で根腐れやカビが出やすくなるんです。
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保水対策で「水持ちのいい庭」に
特に鉢植えやプランターはすぐ乾くので、
- 腐葉土を混ぜて土の保水力をUP
- バークチップで土の乾燥防止
- 鉢の下にすのこを敷いて風通しをよくする
こうした工夫で、1日1回の水やりでも植物が元気に保ちやすくなります。
ただし、鉢の受け皿の水はこまめに捨てましょう。根腐れの原因で植物が弱ってしまいます。
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⑤ 道具のメンテナンスは、夏前にやっとくのが吉!
ハサミ・刈込バサミは“切れ味命”
剪定バサミ、刈込バサミ…
道具の切れ味が悪いと、それだけで作業が倍しんどくなる。
夏の暑さの中で、切れにくいハサミと格闘してると、ほんまにバテます(笑)
スパッと切れないと余計なところに力が入ってしまい、体力を消耗します。
体力だけでなく、ネチっと挟んでしまうため精神的にもダメージを受けてしまいます。
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メンテのポイント
- 刃を研ぐ(市販の砥石でOK)
- サビを落として、オイルを塗る
- 使用後はすぐ乾かして保管
ホースやジョウロも水漏れチェックしとくと、
「使おうと思ったら壊れてた!」って悲劇を防げます。
機械系の道具のメンテナンスはもっと大事
現場についてエンジン系の機械を使おうとした時、エンジンがかからないことがよくあります。
現場で機械が潰れるのは致命的で、代わりの機械を持っていておけばいいですが、ないと絶望的です。
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まとめ|“今ちょっと”が、“夏ずっと”をラクにする
真夏の庭って、しんどくなる前に準備しておくと、本当に違います。
草抜き、剪定、支柱、水やり、道具の手入れ。
全部一気にやらなくても、1日ひとつ、5分だけでもOK。
自分のペースで“夏じたく”しておけば、
今年の庭もしあわせ、自分もしあわせ。
真夏の庭しごとは大変だからこそ、今のうちに少しずつ手をかけておくのが◎。
毎日の庭時間がもっと楽しく、植物も元気になる。
あなたの庭が、夏の暑さも乗り切れる元気な場所になりますように。
ぜひ、今日からできることを少しずつ始めてみてくださいね。
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🌿今日もいい日。
そんな日が、庭から始まりますように。
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