「剪定って、春や夏にするものじゃないの?」

「冬に木を切ったら、弱ったり枯れたりしそうで不安…」

庭木を持っている方から、よく聞く声です。
実際、寒い中で枝を切る姿を見ると、そう感じるのも無理はありません。

ですが、植木屋の現場では冬こそ剪定に適した季節とされる木がたくさんあります。

この記事では、
・冬の剪定にはどんな意味があるのか
・なぜ植木屋は寒い時期に剪定をするのか
・冬剪定に向いている木・注意が必要な木

を、専門用語をできるだけ使わず、やさしく解説していきます。


冬の剪定とは「木を休ませながら整える」ための作業

冬の剪定をひと言で表すなら、

「木が休んでいる間に、体のバランスを整えてあげる作業」

です。

多くの庭木は、冬になると成長を止め、いわゆる「休眠期」に入ります。
葉を落とし、活動を抑え、春に向けてエネルギーを蓄えている状態です。

この時期は、
・切られても体力の消耗が少ない
・剪定によるダメージが残りにくい
・春になると芽吹きが揃いやすい

という特徴があります。

人でいえば、しっかり睡眠をとって体を整えている時間。
その間に身だしなみを整えるようなイメージが、冬の剪定です。


なぜ植木屋は冬に剪定をするのか?

理由はひとつではありません。
主に、次の3つが大きなポイントです。


木の「骨格」がはっきり見えるから

冬は葉が落ちるため、
・枝の流れ
・重なり具合
・不要な枝

がとても分かりやすくなります。

夏場は葉が茂っていて、
「なんとなくここが混んでいるな…」という感覚で切ることもありますが、
冬は枝そのものの構造が見えるため、判断が正確になります。

・将来伸びすぎる枝
・内側に向かう枝
・交差している枝

こうした部分を見極めながら、数年先の姿を想像して切ることができるのが、冬剪定の大きな強みです。


病害虫のリスクが少ないから

冬は、病気や害虫の活動が落ち着く時期です。

剪定後の切り口は、どうしても木にとって「傷」になります。
夏場だと、そこから菌が入ったり、虫が寄ってきたりすることもあります。

その点、冬は
・菌が繁殖しにくい
・虫の動きが鈍い

ため、剪定によるトラブルが起こりにくいのです。

特に落葉樹では、このメリットが大きくなります。


春にきれいなスタートを切らせてあげられるから

冬に余分な枝を整理しておくと、
春になったときに、必要な場所からしっかり芽が出ます。

その結果、
・枝ぶりが整う
・風通しがよくなる
・管理が楽になる

といった良い循環が生まれます。

年末に部屋を片付けて、新年を迎える感覚。
冬の剪定は、まさに春への準備です。


冬の剪定に向いている庭木

冬剪定が特に向いているのは、落葉樹です。

代表的なものとしては、
・モミジ(カエデ類)
・サクラ
・ケヤキ
・エノキ
・ハナミズキ

などが挙げられます。

これらの木は、冬に枝の流れを整えることで、
春の芽吹きや、夏の木陰、秋の紅葉まで、姿が大きく変わってきます。

モミジについては、剪定や種類の違いで見え方が大きく変わるため、
こちらの記事で詳しくまとめています。

👉 雑木の庭を台無しにしないために|剪定方法の違いを解説【プロ目線】

冬のうちにしっかり整えておくことで、
「なんとなく切る剪定」から「意味のある剪定」へと変わっていきます。


冬剪定で注意が必要な木もある

ここはとても大切なポイントです。

冬剪定は万能ではありません。
中には、切り方や量を間違えると調子を崩す木もあります。

例えば、
・ツバキ
・サザンカ
・キンモクセイなどの常緑樹
・冬〜春に花芽をつける木

これらは、冬に切りすぎると
「花が咲かない」「元気がなくなる」原因になります。

つまり、
冬剪定=何でも切っていいではない、ということ。

木の性質を知り、その木に合ったタイミングと切り方を選ぶことが大切です。

このあたりは別の記事で、
「常緑樹の冬剪定はなぜ難しいのか」
というテーマで詳しく書く予定です。


剪定は「枝を切る作業」ではない

剪定というと、
「伸びた枝を短くする」
「見た目をスッキリさせる」

そんなイメージを持たれがちです。

ですが、植木屋の視点では、剪定は
木とこれからどう付き合っていくかを考える作業でもあります。

日和舎では、
「今だけきれい」ではなく、
「数年後も、その木らしい姿でいられること」を大切にしています。

剪定の考え方や、木との向き合い方については、
こちらの記事でも詳しく書いています。

👉 剪定は“技術”だけじゃない。“気配り”が活きる職人の話〜作業の奥にある思いやり〜


冬の剪定は、見えないところで木を育てる仕事

冬の剪定は、作業直後の変化が分かりにくいこともあります。
派手さもありません。

それでも、
春に芽が揃い、
夏に枝が暴れにくくなり、
秋に美しい姿を見せてくれる。

その土台をつくるのが、冬の剪定です。

日和舎では、庭木を通して
「暮らしが少し整う感覚」を大切にしています。

その想いや、植木屋としての歩みについては、
こちらの記事にもまとめています。

👉 【職人向け】独立=夢?今の現場で僕が磨いていること〜植木屋のリアル〜


まとめ|冬の剪定は、春のための静かな準備

・冬は木が休んでいる時期
・骨格を整えるのに適している
・春を気持ちよく迎えるための大切な作業

冬の剪定は、目立たないけれど、とても意味のある仕事です。

庭木も、人の暮らしも、
整えるタイミングを間違えなければ、ちゃんと応えてくれます。

寒い季節だからこそ、
庭と向き合う時間をつくってみるのも、悪くないですよ。


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