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【庭の害虫図鑑】イラガ(デンキムシ)の危険性と駆除方法|刺されたときの応急処置と注意点

庭木の手入れをしていると、思わぬ“敵”に出会うことがあります。
それが、イラガ(別名:デンキムシ)

見た目は鮮やかな緑や黄色で、つい「綺麗だな」と思ってしまいますが、うっかり触れると電気が走るような痛みが…。私自身も植木屋として仕事をする中で、注意していてもヒヤッとする存在です。

この記事を読めば、イラガの生態や危険性、刺されたときの応急処置、そして庭でできる予防・駆除の方法までが分かります。
「もし庭で出会ったらどうすればいい?」という疑問に、プロの視点から具体的にお答えします。


イラガとは?(生態と発生時期)

イラガはイラガ科に属するガの幼虫で、夏から秋にかけて庭木に発生します。

  • 発生時期:6〜9月に多い
  • 好む樹木:サクラ、カキ、ウメ、ケヤキ、クヌギ など
  • 特徴:鮮やかな色合い、体表のトゲ状の毒棘

とくにサクラやカキの葉の裏に潜んでいることが多く、気付かずに触ってしまうこともあります。
庭仕事をする人にとっては、ハチと並んで注意が必要な害虫のひとつです。


イラガの危険性|刺されるとどうなる?

イラガ幼虫の体にある毒棘は、人の皮膚に触れると毒を注入します。その痛みの強さから「デンキムシ」と呼ばれるほど。

  • 刺された直後:電気が走るような鋭い痛み
  • 数分後〜:赤く腫れる、強いかゆみ、発疹
  • 重度の場合:アレルギー反応や呼吸困難

子供やペットは特に注意が必要です。体が小さい分、症状が重く出やすいからです。

🌱 プロ目線のひとこと
ハチと違いイラガは静かに葉の裏にいるため、「気付かず触ってしまう」危険があります。剪定や掃除をするときは常に意識しておきましょう。


イラガに刺されたときの応急処置

万が一刺された場合、焦らずに次の手順を行いましょう。

  1. 毒棘を取り除く
    セロハンテープで皮膚に残った毒針を取り除く。こすらないのが鉄則。
  2. 流水で洗う
    毒を洗い流すように水でしっかり流します。
  3. 患部を冷やす
    保冷剤や濡れタオルで冷却し、腫れを抑える。
  4. 市販薬を使用
    抗ヒスタミン薬入りのかゆみ止めやステロイド軟膏が有効。
  5. 病院を受診
    広範囲の腫れ・呼吸の異常がある場合は必ず医療機関へ。

イラガの駆除と予防方法

庭の安全を守るには「予防」と「早期駆除」が大切です。

1. 発生時期の観察

6〜9月は葉の裏を重点的にチェック。卵や若い幼虫のうちに対処できれば被害は最小限に。

2. 剪定で駆除

枝ごと切り落とし、袋に入れて処分するのが一番安全です。
風通しを良くする剪定は発生そのものを防ぐ効果もあります。

👉剪定による対策についての記事もご覧ください

3. 薬剤散布

被害が広がっている場合はスミチオン乳剤やマラソン乳剤を使用。ただし、環境への影響を考え、必要最小限に留めましょう。

4. 防護対策

作業時は手袋・長袖・長ズボンを必ず着用。暑い時期でも素肌を出さないことが重要です。

🌿 豆知識
イラガの繭も触るとチクッとすることがあります。落ち葉掃除のときにも油断しないようにしましょう。


庭仕事での注意点

  • 鮮やかな色の毛虫は「危険のサイン」と考える
  • 落ち葉掃除や草取りでも油断しない
  • 小さなお子さんやペットを庭で遊ばせるときは特に注意

まとめ|正しい知識で庭を守ろう

イラガ(デンキムシ)は、夏から秋にかけて発生する危険な害虫です。見た目は綺麗でも触れると強烈な痛みを伴い、暮らしに支障をきたすこともあります。

  • 発生時期は葉の裏をチェック
  • 見つけたら剪定や薬剤で早期対処
  • 刺されたときは落ち着いて応急処置を

正しい知識と備えがあれば、怖がりすぎる必要はありません。庭を安全に楽しむために、今日から意識してみてください。


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