庭の剪定中、耳元で「ブーン」という低い羽音が聞こえた瞬間。
その音の方向を振り返ると、黒と黄色のしま模様が目の前に。
…この距離、1メートル。もう安全圏ではありません。
スズメバチは、日本で最も危険な昆虫のひとつ。
刺されると強い痛みだけでなく、命に関わることもあります。
造園業の現場でも、毎年必ず遭遇しますが、知識と準備さえあれば危険を大きく減らせます。
この記事では、
- スズメバチの危険性
- 季節ごとの行動パターン
- 刺されないための服装・行動
- 万が一刺されたときの対処法
- プロ現場でも使う安全グッズ
までを、経験を交えて解説します。
「怖いけど知っておきたい」という方は、ぜひ最後まで読んでください。
スズメバチの危険性
命に関わる2つの理由
- 強力な毒
- 刺された瞬間に激痛
- 毒成分が組織を破壊し、腫れと熱を伴う
- アナフィラキシーショック
- 過去に刺された経験があると、2回目で重症化のリスク大
- 呼吸困難、血圧低下、意識障害など短時間で進行
日本では毎年20人前後がスズメバチに刺されて命を落としています。
多くは「作業中に気づかず巣に近づいた」ケースです。
スズメバチの生態と行動パターン
季節ごとの行動

- 春(4〜5月):女王蜂が単独で巣作り
- 初夏(6〜7月):働き蜂が増え、巣が急成長
- 盛夏〜秋(8〜10月):巣の規模が最大、攻撃性もピーク
- 晩秋(11月):新女王だけが越冬し、他は死滅
攻撃性が増すタイミング
- 巣の半径2〜3mに侵入したとき
- 振動・騒音を与えたとき
- 黒や濃い色の服を着ているとき
- 秋の餌不足で神経質になっているとき
特に巣が見えない位置にある場合(木の枝の裏、屋根の隙間など)は要注意です。
刺されないための予防策
服装と身だしなみ
- 黒・濃色の服は避ける(蜂は黒を敵と認識)
- 甘い香りの整髪料・香水NG
- 長袖・長ズボンで肌を覆う
- ツバ付き帽子+首元タオルで顔回りもガード

作業前の安全確認
- 周囲の空を飛び回る蜂がいないか観察
- 枝や草むらに巣の出入り口がないか確認
- 大きな音を立てる前にチェック(草刈り機・チェーンソーなど)
巣を見つけたら絶対にやらないこと

- 棒で叩く
- 石を投げる
- 懐中電灯を直接当てる(夜も攻撃される)
駆除は自治体や専門業者に依頼してください。
※庭木作業と同時に依頼できる業者もあります → 関連記事:庭木をちょこっといじるなら、この8アイテムで完
刺されたときの正しい対処法
応急処置
- 安全な場所に避難
- ポイズンリムーバーで毒を吸い出す
- 水で洗い流し、冷やす
- 症状を観察(呼吸・意識)
すぐ病院へ行くべきケース
- 呼吸困難やめまいがある
- 顔や首を刺された
- 過去に刺された経験がある
二度刺されの危険性
屋外作業が多い人は、医師と相談してエピペンの携帯も検討を。
*こちらは練習用です
現場でも使う安全グッズ
防護服・ネット付き帽子
造園や農作業の現場では必須アイテム。Amazonなどで手軽に入手可能。
*本格用
*簡易用ただし効果抜群
蜂用忌避スプレー
「ハチアブマグナムジェット」など、噴射距離が長く即効性のある製品がおすすめ。
*スズメバチ用
ポイズンリムーバー
刺された直後に毒を除去。コンパクトで携帯しやすい。
※上記アイテムは家庭用にも使えるため、庭作業前に揃えておくと安心です。
まとめ
スズメバチは「知らないうちに近づく」ことが一番危険です。
生態を理解し、危険な行動を避けることで、被害はほぼ防げます。
- 黒や香りで刺激しない
- 作業前に周囲を必ずチェック
- 巣を見つけたら近づかない
安全に屋外を楽しみながら、自然との共生を大切にしましょう。
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